ものづくりの日本一 8選

関市——刃物の出荷額日本一。世界三大刃物産地のひとつ
関市は刃物のまちとして知られ、全国シェアはおよそ5割。
「折れず曲がらずよく切れる」と言われた関の刃物は、鎌倉時代から続く鍛冶の技術を受け継いでいます。
いまではイギリスのシェフィールド、ドイツのゾーリンゲンと並ぶ「世界三大刃物産地」として、世界の料理人に選ばれる存在です。
土岐市——陶磁器の生産日本一。国内でつくられる食器の半数以上
土岐市は「やきもの生産日本一」と呼ばれる美濃焼の産地。
国内で生産される食器のうち、およそ半数以上をこの地域が担っています。
家にある茶碗や皿の、2枚に1枚が岐阜産という計算です。
多治見市笠原——モザイクタイルの生産日本一。全国シェア8割
多治見市笠原町はモザイクタイルの生産量が日本一。全国シェアはおよそ8割にのぼります。
銭湯の壁、学校の流し、駅のトイレ——見慣れたあの小さなタイルの多くが、この町から出荷されています。
町には建築家・藤森照信が設計した「モザイクタイルミュージアム」もあります。
大垣市——枡の生産日本一。5社で全国の8割をつくる
市内には木枡を製造する業者が5社あり、その5社で全国の生産量の8割を占めています。
節分の豆まき、日本酒の枡酒、結婚式の鏡開き。日本人が枡を使う場面のほとんどが、大垣でつくられたものです。
郡上市——食品サンプルの生産日本一
レストランの店先に並ぶ、あの本物そっくりの食品サンプル。
その生産量日本一が郡上市です。創業者・岩崎瀧三が生んだ「いわさきグループ」が、全国の食品サンプルの大半を手がけています。
郡上八幡(ぐじょうはちまん)では体験工房もあり、外国人観光客にも人気です。
美濃市——日本最古の和紙。正倉院に702年の紙が残る
奈良の正倉院には、日本最古の紙として大宝2年(702年)の美濃・筑前・豊前3国の戸籍用紙が所蔵されています(美濃手すき和紙協同組合)。
つまり美濃和紙は1300年以上の歴史を持つということ。
2014年には「本美濃紙」がユネスコ無形文化遺産にも登録されました。
富加町——日本最古の戸籍「半布里戸籍」
美濃和紙の項で触れた702年の戸籍用紙。そこに書かれていたのが「半布里戸籍(はにゅうりこせき)」で、現在の富加町にあたる地域の住民が記録されています。
日本に現存する最古の戸籍で、正倉院に保管されています。
紙も戸籍も、日本最古が岐阜から出ているわけです。
岐阜市——十六銀行。ナンバー行名で日本最古
創業は1877年(明治10年)10月の第十六国立銀行。
数字だけで構成された行名の銀行としては日本最古です。
明治の国立銀行は番号順に設立されましたが、その名を今も使い続けている銀行はごくわずかです。
食の日本一 4選

岐阜市——ケチャップの支出額日本一(2023〜2025年平均)
総務省統計局の家計調査(2023年〜2025年平均・二人以上の世帯)で、1世帯あたりのケチャップ年間支出額が全国トップだったのが岐阜市。
背景にあるのは、この地域に根づいたモーニング文化。喫茶店のトーストやナポリタンが、家庭の食卓にも影響しているとみられます。
鮎の生産量——3年連続で全国1位(令和7年統計)
農林水産省の「令和7年漁業・養殖業生産統計」で、岐阜県の鮎の生産量が3年連続全国1位になりました(2026年6月発表)。
長良川をはじめとする清流と、県産稚アユの放流が支えています。
大垣市——カミツレ(カモミール)の生産量日本一
石鹸や入浴剤に使われる薬草カミツレの生産量が日本一なのも大垣市。
5月には2ヘクタールの畑一面に白い花が咲き、あたりがカモミールの香りに包まれます。
枡と並ぶ、大垣市のもうひとつの日本一です。
中津川市——日本一のスーパー。わずか35坪の「スーパーやまにし」
2023年2月、全国の小売店を対象にしたコンテストで最高賞の「農林水産大臣賞」を受賞したのが、中津川市付知町の「スーパーやまにし」。
昭和5年創業、売り場はわずか35坪。
大手と価格で戦わず、バイヤーおすすめの珍しい商品を並べる工夫で、市外からも客を集めています。
自然と地理の日本一 6選

高山市——日本一面積の大きい市。香川県より広い
高山市の面積は2,177平方キロメートル。
これは香川県(約1,877km²)や大阪府(約1,905km²)より広いという規模です。
市のなかを移動するだけで1時間以上かかることも珍しくありません。
揖斐川町——徳山ダム。総貯水容量が日本一
揖斐川町にある徳山ダムは、総貯水容量が日本一のダム。
その容量は約6億6,000万立方メートルで、浜名湖の約2倍にあたります。
ダム建設にともない、旧徳山村は全村が移転しました。
高山市——飛騨大鍾乳洞。日本一標高が高い観光鍾乳洞
岐阜県観光公式サイトに「標高900m、日本一高い場所に位置する観光鍾乳洞」と紹介されているのが飛騨大鍾乳洞。
全長800mの洞窟で、年間の平均気温は12度前後。夏の避暑地としても知られます。
七宗町——日本最古の石。約20億年前の上麻生礫岩
岐阜県公式が「日本最古の石にふれるみち」として紹介しているのが、七宗町の上麻生礫岩(かみあそうれきがん)。
この石に含まれる片麻岩は約20億年前のものとされ、日本で見つかった岩石としては最古級です。
町には「日本最古の石博物館」もあります。
高山市——乗鞍岳バスターミナル。日本一標高が高いバスターミナル
乗鞍岳の畳平(たたみだいら)にあるバスターミナルは、日本で最も標高が高いバスターミナルとして日本記録認定協会に認定されています。
標高は2,702m。バスを降りた瞬間に3,000m級の世界が広がります。
下呂市——小坂の滝。落差5m以上の滝が210か所以上
小坂町には落差5m以上の滝が確認されているだけで210か所以上あり、滝の多さは日本有数です。
御嶽山の噴火でできた溶岩台地を水が駆け下るため、町のいたるところに滝があります。
「小坂の滝めぐり」は「岐阜の宝もの」認定第1号です。
文化と歴史の日本一 5選

郡上市——郡上おどり。日本一長い盆踊り
郡上おどりは約400年の歴史を持ち、日本一長い盆踊りとして知られます。
7月中旬から9月上旬まで30夜以上にわたって開催され、お盆の4日間は夜通し踊る「徹夜おどり」に。
延べ30万人が訪れる、岐阜の夏の風物詩です。
関ケ原町——日本一有名な古戦場
1600年、天下分け目の関ヶ原の戦いが行われた地。
東軍・徳川家康と西軍・石田三成が激突し、その後260年続く江戸時代の始まりを決めました。
672年の壬申の乱もこの周辺で起きており、二度も日本の歴史を変えた土地です。
関市——1300年続く小瀬鵜飼。鵜飼が残るのは日本と中国だけ
長良川の鵜飼といえば岐阜市が有名ですが、関市の小瀬鵜飼も見逃せません。
鵜飼が今も行われているのは日本と中国のみという、世界的にも珍しい漁法。
かがり火に照らされた鵜と鵜匠の技は、1300年受け継がれてきました。
恵那市——農村景観日本一。岩村町富田地区
平成元年、全国の環境問題を研究していた京都教育大学の木村教授から「農村景観日本一」の称号を贈られたのが、恵那市岩村町富田地区。
茅葺き屋根の家、棚田、里山——「日本の心のふるさと」と呼ばれる風景が残ります。
茅葺きの家には宿泊もできます。
東白川村——全国で唯一、お寺がない村
東白川村は全国で唯一「お寺がない村」として知られます。
明治の初め、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)によって村内の寺がすべて取り壊されました。
以来、村では寺が再建されることなく、いまも「南無阿弥陀仏」と刻まれた石碑が信仰の中心にあります。
施設と建造物の日本一 5選

八百津町——岐阜バンジー。日本一高い215m
八百津町の新旅足橋(しんたびそこばし)から飛び降りる「岐阜バンジー」は高さ215mで日本一。
運営元も高さ215mと公表しています。
ビルにするとおよそ60階建て。渓谷に向かって落ちていく数秒は、想像を超える体験です。
各務原市——アクア・トトぎふ。世界最大級の淡水魚水族館
世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふは、世界最大級の淡水魚水族館。
長良川の源流から河口までを再現した展示に始まり、メコン川やコンゴ川の魚まで見られます。
「海のない県の水族館」だからこそ、川の魚に振り切った構成になっています。
恵那市——日本一の木製水車。直径24m
道の駅「おばあちゃん市・山岡」にある木製水車は直径24mで日本一。
10階建てのビルとほぼ同じ高さです。
小里川ダムの建設で水没した地域に多くの水車があったことから、その記憶を残すために作られました。
美濃加茂市——日本最大の天狗像
美濃加茂市の古井(こび)の天狗山にある天狗像は、日本最大の天狗像として日本記録認定協会に認定されています。
高さは12mを超え、山あいに突然あらわれる姿は圧巻です。
瑞浪市——世界一の美濃焼こま犬
瑞浪市の陶土公園には、世界一の美濃焼こま犬があります。
高さ3.3m、重さ15トン。美濃焼の技術の高さを示すために作られました。
番外編|かつて日本一だったもの

岐阜市の喫茶代——4年連続日本一から5位へ。いま奪還をめざしている
岐阜市は1世帯あたりの喫茶代が4年連続で日本一でした。モーニング文化が根づき、個人経営の喫茶店が地域の交流の場になっているためです。
ところが家計調査で5位に転落。2025年の調査でもトップには戻れていません。
これを受けて岐阜市は「1位奪還」を掲げ、焙煎体験やモーニングマップづくりに動き出しました。
日本一は、取るより守るほうが難しいのかもしれませんね。
餅の消費量——2021年は日本一、2024年は茨城に
岐阜市は餅の消費量でも日本一だった時期があります(2021年・4,234g)。
しかし2024年のデータでは茨城県が1位(3,367g)となり、岐阜は順位を下げました。
生産量や消費量の日本一は、数年で入れ替わります。
喫茶店はともかく、餅の消費が日本一の時期があったとは意外な発見でした。
あまりイメージになかったのですが、岐阜県民はお餅好きな県民なのかもしれませんね。
まとめ|岐阜の日本一は、暮らしの道具に集まっている
こうして並べてみると、岐阜の日本一は暮らしの道具に集まっていることに気づきます。
包丁、枡、タイル、食器、和紙、食品サンプル。
どれも主役として語られることはないけれど、日本中の暮らしのどこかで必ず使われているものばかりです。
海がなく、広い平野もない。
だからこの土地では、目の前にある木や土や水に手を加えて、価値のあるものに変えてきました。
岐阜の日本一がこれほどものづくりに集まっているのは、その積み重ねの結果なのかもしれませんね。
個人的にはいつか岐阜で日本一のバンジーに挑戦してみたいと思います!
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出典一覧
生産量・消費量の順位は年度で入れ替わります。最新の状況は各リンク先をご確認ください。


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